窃盗罪について

窃盗罪は、他人の物を故意に持ち去る行為をした場合に成立する犯罪です。
万引き、車上荒らし、ひったくりなどが典型例です。
また、空き巣など窃盗をする目的で他人の家に侵入した場合には、窃盗罪のほかに住居侵入罪が成立します。
その他、窃盗を行う際に被害者に暴行または脅迫を与えたときは、窃盗罪ではなく、より悪質な強盗罪が成立する可能性があります。

窃盗罪の法定刑(法律で規定された刑)は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金であり、幅が広く定められています(刑法235条)。

詐欺罪について

詐欺罪は、他人を騙して他人の財産や財産上の利益を得る行為をした場合に成立する犯罪です。
他人を騙す行為のすべてが詐欺罪に当たるわけではなく、財産や財産上の利益を得ることを目的として他人を騙す場合にのみ、詐欺罪が成立します。
無銭飲食やタクシーの無賃乗車のような典型的なもののほかに、近年増加している振り込め詐欺などの特殊詐欺などが、詐欺罪に該当します。

詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役であり、罰金刑の定めがない点で、窃盗罪よりも重い犯罪であるといえます(刑法246条)。

横領罪について

横領罪とは、自分が管理している他人の金品を着服した(自分の物にした)場合に成立する犯罪です。
また、仕事などで業務上管理している物を横領した場合には、業務上横領罪に該当します。
仕事上、顧客から預かった売上金を着服した場合などが典型例となります。

横領罪の法定刑は5年以下の懲役であり(刑法252条)、業務上横領罪の法定刑は10年以下の懲役です(刑法253条)。

恐喝罪・強盗罪について

恐喝罪・強盗罪は、ともに、暴行・脅迫によって被害者を怖がらせて、財産や財産上の利益を得る行為をした場合に成立する犯罪です。
暴行・脅迫の程度が、被害者の反抗を抑圧するに足りるものである場合には強盗罪が成立し、これに至らない場合には恐喝罪が成立します。
貸し付けた金銭を返してもらう場合でも、暴行・脅迫行為を用いた場合には、その回収の方法として一般的な許容範囲を越えていますので、強盗罪や恐喝罪が成立することになります。

恐喝罪の法定刑は10年以下の懲役であり(刑法249条)、強盗罪の法定刑は5年以上20年以下の懲役です(刑法236条)。
強盗罪は、財産事件の中では特に重い犯罪類型です。

弁護活動について

財産事件では、事実関係に間違いがなければ、まずは、何よりも被害弁償および示談交渉を行うことが重要となります。
被害金額にもよりますが、被害弁償が済んでいる場合には、不起訴や略式命令(罰金)で済むことも多く、起訴されて裁判になったとしても、執行猶予付きの判決となる可能性が高くなります。
また、前科がある場合であっても、被害弁償をすることで、執行猶予となる可能性が高くなり、仮に実刑となったとしても、ほとんどの場合に刑期が短くなります。

もっとも、コンビニやスーパーの中には、たとえ被害金額が少額の万引きの場合であっても、被害弁償に応じないという方針を取っているところもあります。
このような場合には、謝罪文を作成することや贖罪寄付(慈善団体などへ寄付)をすることによって、十分に反省をしていることを示すという方法もあります。

また、特殊詐欺などの組織犯罪の場合には、実刑となる可能性が高いのですが、このような犯罪類型の場合には、2018年から施行された協議・合意制度(捜査に協力することで、減刑や不起訴となることが約束される制度)を利用することができますので、同制度の利用を検討しつつ、不起訴や執行猶予の獲得を目指すことになります。

他方で、窃盗などの事実関係が存在しない場合には、不起訴あるいは無罪を目指すこととなります。

刑事弁護の依頼を受けた弁護士は、以上を踏まえて、お客様のために最適な弁護方針を検討し、サポートさせていただくこととなります。

弁護士にご相談ください

財産事件の刑事弁護についてお困りの方がいらっしゃいましたら、お早めに弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
また、早い段階から弁護士にご依頼いただくことで、迅速な対応によって有利な結果を得る可能性が高まります。
まずはお気軽に当事務所にご相談いただければと存じます。

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